
「さぁ・・・・・これから、どないしよ?」
病室で1人になった俺は、軽く、途方に暮れていました。
まだ、手術をしてすぐの状態ではありましたが、利き手である右手に、全く力が入りませんでした。
何日ぐらい入院せんとあかんのか、ちゃんと指が元通りに引っ付いてくれるのか、仕事はどないしたらええのか、全く、先が見えない状況でした。
書き出すと、長くなり過ぎてしまうので、また、後々、別のタイトルで詳しく書こうと思いますが、当時の俺は、2008年から、無店舗の露店販売にシフトして、本業の古物商をしながら、掛け持ちで、ヘルパーの仕事と運送会社で夜勤の荷分けの仕事をしていました。
「まぁ、せやけど、とりあえずは、相手の保険会社からの連絡を待たなあかんな・・・・・。」
俺は、思いました。
まず、俺は、2つの仕事先に、入院する事になった為、しばらく仕事には行けない旨を伝える電話を掛けました。
心配するやろうから、母親には、まだ電話は掛けない事にしました。
次に、俺は、会社経営をしている、12歳年上の知り合いの男性に、電話を掛けました。
会社経営と自営業とは、環境が似ていると思いましたし、何より、彼は、俺よりも一回りも年上でしたので、いろいろと経験が豊富で、こんな場合、どないしたらええのか、何か良いアドバイスでももらえたら有難いと思いました。
元々、彼とは、そんなに仲が良かったわけではありませんでしたが、事故と手術の直後やった俺は、藁にもすがるような思いで、彼に電話を掛けました。
せやけど、彼が、冷たく言い放った言葉は、今でも忘れられません。
「確定申告をちゃんとしてへんから、保険が下りひんかも知らんて、そんなん、おまえの自業自得やないか。そういう時の為に、ちゃんと申告しとくんが、”大人”いうもんやろが。俺の会社に弁護士おるから、聞いてみたってもええけど、そいつは、俺の弁護士であって、おまえの弁護士やないから、お前の相談に乗ってくれるかどうかは、分からんぞ。」
俺は、この人に電話を掛けた事を後悔しました。
「説教やったら、もう、いいですわ!」
珍しく、声を荒げて、俺は、電話を切りました。
もちろん、その後、彼から電話がかかって来る事はありませんでした。最初から、自分の弁護士に聞いてみてくれる気もなかったんやと思います。
そういう人やとは、分かってはいたんですけど、その時の俺には、他の選択肢が思い浮かびませんでした。
話は少しそれますが、せやけど、数年後、彼から、俺にメールが来ました。
メールには、こないに書かれていました。
「おまえに、折り入って頼みがあんねん。」
俺は、事故当日以来、その人との付き合いは絶っていましたが、一回りも年の離れた人間が、”折り入って”と、年下の俺に、数年ぶりにメールをしてくるぐらいですので、よっぽど何か困りごとでもあるのかと思って、俺は、返信する事にしました。
「どないしたんですか?」
すると、こんなメールが返って来ました。
「実は、俺、玄人童貞(※プロの女性と性体験がない人)やねん。1回、風俗、連れて行ってくれへんか?」
俺は、ひっくり返りそうになりました。(笑)
~続く~

