数日前、俺は仕事で、お客さんの家に行きました。
電話をくれはったんは、かなり高齢やと思われる、おばあちゃんやったんやけど、団地の家の前まで行ってみると、表札が教えてもろた名前と違ごてました。101号室は、電話でお聞きした”上田さん”ではなく、”臼井さん”になっていました。
俺は教えられた通りの108号棟に行ったんやったんやけど、ふとそこの団地名を見てみると、おばあちゃんが言うてた団地名とは微妙に違うことに気付きました。おばあちゃんは「○○八王子」と言うてたんやけど、そこは「○○池田」になってました。
俺は、来る場所を間違ごうたんかと思て、この近所に「○○八王子」ちゅう団地があれへんかと、ちょうど、そこのバイク置き場でバイクを降りたばっかりのヘルメットをかぶった男性に、「”○○八王子”は、ここで合うてますか?他に108号棟ってありますか?」と尋ねました。
その男性は、「”○○八王子”はここですよ。向こうは分譲で、こっちは賃貸ですけど、108号棟は、ここだけですよ。」と親切に教えてくれました。
その男性は、話の途中でフルフェイスのヘルメットを脱いだんですけど、その顔は、どっかで見覚えのある顔でした。
俺は「そうですか。ありがとうございました。」と、お礼を言うて、そのまま、彼に背を向けて歩き出したんやけど、外見と声と喋り方などの雰囲気から、彼が中学2年生の時の同級生に間違いないと確信して、振り返って声を掛けました。中学時代の彼は背が高くてスリムやったんですが、久しぶりに会う彼は、結構横幅があり、ふっくらとしてました。背ェは相変わらず高くて、ごつくなってました。
「○○(名字)ちゃうん?」俺は言いました。「えっ!?誰ですか?」彼は言いました。「○○やろ!?中学で一緒やったやん。」彼に会うのは、中学を卒業以来、実に16年ぶりです。分からんのも、しゃぁないです。
「兄貴と間違うてるんちゃいますか?」彼は言いました。よっぽど、俺が分からんかったみたいです。「ちゃうよ。同じクラスやったやん。水泳やってた○○やろ!?」俺は言いました。
「あ、はい。○○は、○○ですけど、、、、、」彼は言いました。
「ほら、やっぱり○○やん。ほな、また!!」俺達は別れました。
<~続く~>