2006.03.10「怪物のいた夏」その2

おまち堂のコラム

「そこまで、文句タラタラやのに、何で、わざわざ枚方まで通ってんの?」ちゅう言葉が、あちこちから聞こえてきそうなんですけど、やめられへんのは、一言で言えば、僕の心の弱さでしょうね。

「今、俺がやめると、他の大人の稽古生達の子供の面倒を見る負担が増えて、迷惑をかけてしまうし、稽古相手も減ってしまう。みんなに迷惑をかけてまで、自分だけ逃げ出して、より良い環境に身を置く事には気が引ける。」ちゅうて、言い訳を並べたらキリがないんですけど、要は、それがでけへん、僕の心の弱さやと思います。

なりふり構わず、目標達成のために、ガムシャラに前だけ向いて突き進まれへん、そこらへんが、僕の弱点と言えば、弱点やと思います。

先生が、今の大人の稽古生である僕らを将来の指導者として期待してはるっちゅう事も知ってますんで、今まで、お世話になった人達を簡単に見捨てられへんちゅうのもあります。義理を欠く人間には、なりたくないです。

良く言えば、僕は、心優しい人間なんやと思うんですけど、悪く言えば、ただの優柔不断で、根性のない奴です。

僕みたいに、割り切って物事を考えられへん人間がなる病気が、今、僕が罹っている大腸の病気なんやと思います。この病気の人は、人を傷つけるのが嫌で、無意識のうちに、自分自身を傷つけてるんかも知れません。

「別に、自分(あなた)が、やめたらやめたで、ちゃんと埋め合わせができて、おらんでも上手い事行くようになってるんやって。おるから、周囲が当てにするだけの話やんか。おらんかったら、おらんかったで、どないにでも、なるんやって。おらんでも、行けるようなシステムができるんやって。無理して通うと、”こんだけの事したってんのに!”って、ストレスにもなるし、そないなったら、自分にも相手にもええ影響はあれへんで。」そないに、友人は僕に言うてくれたんですけど、ほんまに、その通りやと思います。

僕は、単なる自意識過剰に過ぎんのかも知れません。実際、僕が昨年の1月に復帰するまでは、僕なしで、問題なくちゃんと事は運んどったわけです。

今年の僕は、攻めに転じる事を決意しましたんで、今までは、月金と週2回、枚方の道場に通ってたんですけど、それを週1回にして、水曜日に豊中の道場に通う事にしました。その友人は、「枚方の道場は、絶対にやめるべきやわ!」と、正しいアドバイスを僕にしてくれたんですけど、それでも、僕は、とりあえず妥協をして、週1回だけは、可能であれば、枚方の道場にも顔を出す事に決めました。

ムチャクチャ話が逸れてしもたんですけど、今回の話は「怪物のいた夏」です。

ここから、どないして、その話に持って行くんかっちゅう話なんですけど、水曜日の豊中の道場での稽古で、久しぶりに、自分よりも強い人達と稽古をしました。真剣モードで稽古をしましたんで、今も首や足に筋肉痛が残ってますし、蹴られた左足の向こう脛は大きく腫れ上がっています。

日本拳法では、基本的に、防具を付けていない箇所への攻撃は認められてないんですけど、”足払い”は、認められています。ここまで足が腫れ上がる言うたら、明らかに攻撃で、反則ギリギリやとは思うんですけど、まぁ、これもええ経験でした。普段、所属している枚方の道場では、ここまで強烈に足に攻撃を仕掛けてくる人は、いませんでした。

僕が、自分よりも段の上の人達と稽古をするのは、もうかれこれ7年~8年ぶりぐらいになります。今の枚方の道場には、多い時でも4人ぐらいしか稽古生が集まらんのですけど、僕が入門した11年ほど前の頃には、有段者の人達だけでも6人ぐらいは稽古しに来てはって、道場は、今よりも、はるかに活気を帯びていました。

今回、豊中の道場で稽古させてもろた相手は、初段、3段、5段の人達やったんですけど、さすがに、3段、5段ともなると、スピードが、ムチャクチャ早かったです。

普段、自分達の道場で3段以上の人と稽古する機会のない僕は、正直、そのスピードには付いて行けてませんでした。3段の人が、僕の面を打ち込もうとする時に、左足の胴蹴りを幾度となく合わせてみたんですけど、僕の蹴りを出すタイミングが一瞬遅く、ことごとくクリーンヒットはしませんでした。相手のスピードが早過ぎて、僕が「今や!」と思った時には、すでに遅かったわけです。これは、相手のスピードに付いて行けてない証拠です。

せやけど、今、2段の僕は、そこの道場で稽古を重ねて、スピードに目が慣れさえすれば、3段の彼とは、そこそこの勝負ができそうな印象を受けました。せやけど、問題は5段の彼でした。さすがに、その人と自分とのレベルの差は、1年やそこらで埋まるもんやないと感じました。

彼が、前に突進を始めた時、それを食い止めるだけの力は、今の僕には到底ありませんでした。日本拳法には投げ技や関節技もありますんで、相手に組み付いて突進を止めてみたところで、その後に技が出されへんかったら相手の餌食になってしまいます。彼の突進を止めるには、拳や蹴りのスピードをもっともっと磨かんとあかんのは、もちろんの事、投げ技や関節技にも磨きをかけんとあきません。

筋力トレーニングもして、体重を上げて、もっと体力を上げる必要もあると感じました。体重60キロの華奢な体では、日本拳法5段のツワモノの突進を止める事は、なかなか難しいと感じました。

僕の左足に容赦なく蹴りを入れて腫れ上がらせたのも彼なんですけど、4段以上のレベルになるには、そういった足払いも多用して、相手のバランスを崩しながら攻撃する事も必要なんかも知れません。

水曜日は、久しぶりに、レベルの高い人達と稽古をさせてもろて、ほんまに、いろいろと、ええ勉強になりました。

せやけど、その5段の彼でさえ、僕は、”怪物”やとは思いませんでした。それは、僕が今や2段で、そこそこの力を付けてるからに他ならんのですけど、僕が枚方の道場に通い始めた頃にいてはった、3段の男性は、当時の僕にとっては、まさに”怪物”でした。

 

~続く~

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