2006.03.21「究極のいちゃもん」その3

おまち堂のコラム

「ほんまに、すんませんでした。何とか、堪忍してもらえませんか?僕、ちょっと、行かなあかんとこがありますんで・・・・・。」僕は、言いました。

せやけど、男は、どんだけ謝っても許してくれませんでした。

「おまえが、”自分は悪くない。子供が全部悪いんや。”って思てるんやったら、帰ったらええやろ!」

男は、そない言いました。

今になって思うと、何で僕は、そこで、帰らんかったんやろか、ほんまに、そない思います。完全に僕の天邪鬼な性格が災いしてしもてました。

「いや、”子供が悪い”やなんて、そんなん、思てませんよ。確かに、ぶつかったんは事実ですから。僕が悪いですよ。」僕は、男を逆上させんように必死でした。

「ほな、一体、どないしたらいいんですか?」僕は、男に尋ねました。

「病院行くから、ついて来いや。子供が頭打って、脳に異常が起きて、後から後遺症でも出たら困るからな。俺は、別に、おまえから金を取ろうとか、そんなんは思てへんねん。ただ、子供が心配なんや。だから、とりあえず病院行くから、ついて来い。診察料は、おまえが出せよ。」男は言いました。

人のええ(単純な!?)僕は、男の言葉を鵜呑みにしてしもて、男が、ほんまに子供を心配してるだけなんやと思て、「診察料ぐらいで済むんやったら、それぐらいやったら出したってもええな。」と思て、一緒に病院について行く事に同意しました。

病院に行って、子供の頭に、何の異常も発見されへん事は、1000000%確信していました。ほんまは、僕とぶつかった後にイスで顔を打ったんですけど、もし仮に、顔を打ったんが僕のせいやったとしても、あんなん、打ったうちに入りません。ほんまに、笑うぐらいにコツンとぶつけただけです。あの程度で泣くやなんて、”千の虎”と書いて、”せんと”と読む、この子供は、完全に名前負けしています。猫を千匹集めても、あの程度で「にゃぁ~。」と泣くやつは、おらんはずです。

その時、男の車は洗車中で、「でも、まだ時間掛るな・・・・・。まぁ、おまえ、免許書のコピーと連絡先だけ置いて、もう帰ってええわ。また、こっちから連絡するわ。」男は、そない言いました。

僕は、前述と同じ理由で、それを断って、「もう用事は、いいですから、待っときますわ。」と言いました。さすがに、こんなアホに、免許書のコピーと連絡先を書いて渡すほど、僕はドアホやありません。

こないなってしもたら、もう拳法は諦めんとあきませんでした。

この日の僕は、数多くの失敗を犯してしもた結果、とんだトラブルに巻き込まれてしまいました。

”第一の失敗”は、最初のコンビニに寄らんかった事やと前々回に書きましたけど、ほんまの”第一の失敗”は、テンションが低かったにも拘わらず、拳法に向こてしもた事やったんかも知れません。

「行くんやったら行く。行かんねやったら行かん。」で、うだうだと悩まんと、チャッチャと家を出とったら、また、全ての歯車も違ごてたはずです。時間が、ずれとったら、子供にも、ぶつからんかったでしょうし、トイレで男と鉢合わせて、にこやかに会釈をする事もなかったはずです。

今思えば、男に対して訳の分からん会釈なんかをしてしもたがために、ただでさえ髪の毛が長くて人になめられやすい僕は、さらに男になめられてしもて、「こいつはカモや!」と思われてしもたに違いありません。いつも、にこやかに明るく過ごす事が僕の人生の目標なんですけど、それがトラブルの原因になってしまうやなんて、ほんまかなわん世の中です・・・・・。

せやけど、こないに、あからさまに因縁をつけられたんは、生まれて初めてです。ほんまに、僕は、ついてません。つくづく運の悪い男やと思います。

ここまでの馬鹿は、あちこち探してみても、そうは見当たらんはずですけど、たまたま、そんなんに鉢合わせてしまう僕は、ほんまに不幸な星の元に生まついてるんやと思います。

せやけど、全ては結果論です。人生には、”~たら”も”~れば”もありません。そして、全ては、必然です。世の中には、偶然はありません。全ての出来事は、最初から、そないなるように仕組まれてるんやと思います。

大事な事は、そこから何を得るかっちゅう事です。全ての経験は、次回に生かすためにあります。必ずや、そこには、隠されたメッセージがあります。人は、全ての経験から学び、それを次に生かさんとあきません。僕は、そない思てます。

僕は、転んでも、ただでは起きません。この”いちゃもん事件”からも、必ずや、何かを得て、今後に生かしてみせます。眉毛が”ハ”の字に下を向いている僕ですが、こない見えても、なかなかどうして、結構、打たれ強いんですよ!?

 

~続く~

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