「今日は、何時頃帰るん??何か、予定あるん?」
僕は地面から、尋ねました。
「今日は、何も予定はないよ。まだ、何も考えてない・・・・。」
テーブルの上の毛布にうつ伏せのまま、A子が言いました。
「あれやったら、午後から温泉でも行こか?昨日、風呂入ってへんから、気持ち悪いやろ?12時まで店番やから、行くんは、それからになるけど・・・・。」
「うん、行こう!」
「よっしゃ、ほな、決まり!今日は、温泉行こ!せやけど、どないして、行こうかなぁ・・・・・?バイクで行ってもええんやけど、まだちょっと、このバイクで2人乗りするんは危ないな・・・・・。」
その日、事業所で寝泊りしていたのは、僕ら2人だけではなく、実は、”ウィリアム8世”(愛称ビリー)というバイクも一緒でした。
僕は、まだこのバイクで、安全に2人乗りをする自信はありませんでした。
ビリーには、バックレストも付いていませんし、完全に一人乗りを想定した作りになっていました。
「まぁ、別に電車で行ってもええし、それはまた、追々考えようか・・・・・。」
僕らは、しばらく沈黙していました。
目を瞑ったまま、僕は、口を開きました。
「もう、日本には帰って来ぇへんの??」
A子が言いました。
「親の介護は、せんといかんから、その頃には、戻って来ると思うけど・・・・・。」
僕は、言いました。
「ほな、もし、その時、俺が独身やったら、結婚しよか!」
「中川君、絶対に独身やわ~~~~!」
「何でやねん!」
僕、また伝説をこしらえてしまいました・・・・・!
付き合ってもいない女性に、いきなり、プロポーズしてしまいました。(笑)
せやけど、僕らの関係というのは、大学時代から、“結婚”という言葉が普通に使えてしまうぐらいの
不思議な関係やったんですよ。
学生時代の彼女は、よく、こんな話をしていました。
「学生同士が結婚したら、お互いの学費が半額になるって噂を聞いた時、私、真剣に、中川君と偽装結婚しようかと考えたわ~。」
真剣に、一方的に偽装結婚を考えられても困るんですけど・・・・・。(笑)
という僕も、実際に、話を持ちかけられていたら、満更ではなかったとは思うんですけど、残念ながら、その噂は、あくまでも“噂”で、実際には、学費が半額になるという事はあれへんかったみたいです、、、、。
こんな不思議な関係が、もう、かれこれ21年も続いているやなんて、このブログを読んでくれてはる
皆さん方は、多分、信じられへんと思います。
せやけど、
「事実は、小説よりも奇なり」
なんですよ。
特に、僕の周囲で起こる話というのはね・・・・!
~続く~