2013.08.16「夏の思い出」その25

長編シリーズ

僕らは、新大阪駅に到着しました。

いよいよ、別れの時が迫って来ていました。

駅のホームで電車を降りた僕達は、階段を上がり、新幹線乗り場の改札のところまでやって来ました。

僕は、パソコンのメールアドレス、携帯電話のメールアドレス、携帯電話番号を紙に書き、彼女に手渡しました。

「せっかくの帰国やったのに、えらい、しんどい思いさせてしもて、ゴメンな・・・・。気ィ付けて帰りや。。。。」

僕は、言いました。

と同時に、彼女の笑顔を見ていると、ふいに、涙が込み上げて来そうになってしまいました。

新幹線の出発時刻板を見ていた彼女が言いました。

「まだ、出発まで20分もあるわ~。」

「ほな、どっか喫茶店でも入って、時間潰そか?」

「ウチ、もう何も食べれん・・・・。」

「ははは!ほんまやな。俺も、もう食えんわ!」

僕は、続けました。

「ほな、もう、新幹線のホームのベンチに座って、ちょっと、ゆっくりとしとったらええんとちゃう?」

僕は、入場券を買うて、新幹線乗り場まで、彼女を見送りに行きたいとも思ったんですけど、前日の13時頃に会うて以来、その時の16時頃まで、僕が仕事に行っていた時間と風呂に入っていた時間を除いて、ほぼ24時間の時を、ずっと一緒に過ごしていましたので、疲れている彼女に、これ以上、付き纏うのは、迷惑であるような気がしました。

と、それよりも何よりも、乗り場まで付いて行ってしまうと、涙が溢れて、ボロボロと泣いてしまいそうでした・・・・・。

実は、僕、ムチャクチャ涙もろい泣き虫なんです。

手を振って別れた後、しばらくは、JRの電車のホームに向かって歩き出していた僕ですけど、その後、立ち止まり、振り返って、彼女の行方を見守りました。

彼女は、改札口の一番右側のところで、何やら、駅員さんと言葉を交わした後に、その横をすり抜けて、中に入りました。

ほんのしばらく、大きな行き先案内の時刻板を見上げながら、立ち止まった彼女は、その後、キョロキョロとホームを探しながら、一番左の改札の向こう側に消えてしまい、見えなくなってしまいました。

僕は、首に巻いていたタオルの片方の端で、鼻と口を抑えながら、懸命に涙をこらえながら、その光景を見守っていました。

しばらく立ち尽くしていた僕ですが、ようやく諦めて、駅のホームに向かって歩き始めました。何度も何度も、タオルで涙を拭いながら・・・・・。

何か、もう二度と会われへんような気がしました・・・・・。

「君がいた夏は、遠い夢の中・・・・空に消えてった 打ち上げ花火・・・・・」

ジッタリンジンの名曲”夏祭り”の歌詞そのまんまのような、夢のように楽しい2日間でした。

30代締めくくりの夏に、素晴らしい思い出が出来ました。

A子、ありがとうな!

~完~

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