他にも、宿舎が同じで、それまで挨拶しか交わした事のなかった男性と、たまたま、風呂場で鉢合わせて、少し話をしてみると、その男性の出身が兵庫県豊岡市やったという事もありました。
「僕の大学時代の友達が豊岡の出身で、4月6日と7日に、僕、豊岡に遊びに行ってきましたよ。ここには、いつから来てはるんですか?」
「9日です。」
「そうなんですか、ほな、7日は、豊岡にいてはったんですね。あの日、めさめさ寒かったですよね。僕、震えながらバイク運転してましたわ。」
「確かに、寒かったですね!」
島根県まで来て、まさか、こんな会話が出来るやなんて、思いもしませんでした。
まだまだ、あります。
40代半ばの男性ですけど、この方も宿舎が同じで、それまで顔だけは何度も合わせていて、挨拶だけ交わしていた間柄でした。
せやけど、僕が卒業する前日に、一人で、日に当たりながら、とある店の外のベンチで昼ごはんを食べていると、その男性が初めて、僕に話掛けて来てくれはりました。
「ここのごはん、美味しいですか?」
昼食は、4つの店で自由に食べられるんですけど、僕は、そこの店で昼食を食べるのは、2回目でした。
その時、僕は、かつおのたたき定食を食べていました。
一瞬、答えに窮した僕は、言いました。
「どうでしょうねぇ・・・・・まぁ、不味くはないと思いますよ。カレーは、食券で食べられるんですけど、それ以外は、1$足さんとダメですけど、、、、、。今日は、他には、豚の生姜焼き定食がありますよ。前は僕、生姜焼き食べましたけど、まぁ、量も普通ですし、味も悪くなかったですよ。」
「そうですか。私はいつも、本部前の店で食べてるんですけど、最近、ちょっと飽きてきましてねぇ・・・・。」
「僕は、まだ、そこでは、昼ごはん食べた事ないですわ。」
「あそこ、昼は、ちょっと手抜きメニューなんですよ・・・・・。」
その男性は、てっきり、その日は、そこで食べるもんやと思ってたんですけど、それだけ言うと、立ち去ってしまいました。
「何や、食うて行けへんのか・・・・・。変な、おっさんやなぁ。。。。。」
僕は、思いました。
そんな話を交わした翌日の朝、僕が食堂に行くと、その男性が、一人でご飯を食べてはりました。
僕は、お盆に、ご飯を乗せると、その男性のところに行き、一緒にご飯を食べました。
「どちらから来てはるんですか?」
「新潟です。」
「え~~!新潟ですか??えらい、遠いところから来てはるんですねぇ!?近くにも、いろいろと教習所あるんやないんですか?」
「いろいろと探したんですけど、もう私、45歳ですので、なかなか受け入れてくれるところがないんですよ。ここの他には、もう一つあったんですけど、そこは、クレジットカードの支払いは無理ということで、ここになったんです。中川さんは、どちらからですか??」
ここの教習所では、大きな文字で書かれた名札を付ける事が義務付けられていますので、親しい間柄でなくても相手の名前がすぐに分かって、お互いに、打ち解けやすいというメリットがあります。
「僕は、大阪です。池田市というところです。」
「そうですか。大阪ですか。私、大学時代は、大阪に住んでいましたよ。枚方(ひらかた)市です。」
「枚方、言うたら、ひょっとして関西外大ですか??」
「そうです。」
「え~~~!ほな、僕の先輩やないですか!僕も外大出身ですよ。」
嘘のような、ほんまの話です。
↓ 僕が住んでいた寮
↓寮の部屋
↓名札
~続く~